複数の異なるバージョンの OpenOffice.org を並列に実行する方法
プログラマでなくとも OpenOffice.org の活動に参加することができます。あなたが普段使用するバージョンと同じように開発版のインストールを行い使用することで、早期にバグを発見し修正を行う手助けになります。
通常、全てのバージョンは前のバージョンのファイルを上書きしてインストールを行います。 たとえば安定版を OpenOffice.org 2.3.1 としましょう。 Unix 系の場合は /opt/openoffice.org2.3 に、 Windows の場合は C:\Program Files\OpenOffice.org 2.3\ ("Program Files" というフォルダ名はたいていローカライズされています) に、一方、開発版は Unix 系の場合は、/opt/ooo-dev2.3/ と Windows の場合は C:\Program Files\OOo-dev 2.3\ にインストールされるでしょう。
これにはいくつかの欠点があります。あなたが異なった開発版をインストールしたいか、または OpenOffice.org の「古い」安定したバージョンの使用を続けたい場合です。新しい安定版、または開発版はそれぞれ対応する場所 (訳注:開発版なら /opt/ooo-dev2.3 とか、安定版なら /opt/openoffice.org3/ など)にインストールされ、そして現在インストールされているものを置き換えます。 Windows の場合は、インストーラーによって行われ、 Unix 系では、新しいバージョンをインストールするとき、自身で古いバージョンを削除する必要があります。
この問題を回避するために、異なるバージョンの OpenOffice.org をインストールし、並列に実行する方法をこれから説明します。
Contents
Linuxの場合
このセクションでは RPM または DEB パッケージで配布される OpenOffice.org を"インストール"する方法を説明します。正確にはインストールではなくパッケージからファイルを抽出します。
注意としては、この方法では、あなたの (Linux) ディストリビューションのパッケージのフォーマットによらず、 RPM もしくは DEB パッケージのどちらでも使えます。 つまり、 Debian でも RPM パッケージを抽出でき、 Mandriva でも DEB パッケージを抽出できます。
バージョン 2.x のインストール
RPM パッケージ
作業を行う前に GNUtar (http://www.gnu.org/software/tar/)、 rpm2cpio (http://www.rpm.org/) と、 GNUcpio (http://www.gnu.org/software/cpio/cpio.html) がインストールされていることを確認してください。
ここでは次のファイルの "インストール" を例に説明します。
OOo_2.4.0_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz
次のディレクトリにダウンロードを行いました。
/home/ユーザー名/download/ooo/
# cd コマンドで *.tar.gz ファイルを保存した場所に移動します。 # この例では次のファイルと場所を使用します。 # ファイルは OOo_2.4.0_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz # 場所は /home/ユーザー名/download/ooo/ です。 ~> cd download/ooo/ # ファイルを抽出するための一時作業用フォルダを作成します。 # ここではフォルダ名を TEMP_INST とします。 ~/download/ooo> mkdir TEMP_INST # 作業用フォルダに移動します。 ~/download/ooo> cd TEMP_INST/ # ファイルを抽出します。 ~/download/ooo/TEMP_INST> tar -zxvf ../OOo_2.4.0_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz
これで一時作業用フォルダに tar ボールを解凍しました。 注意としては OpenOffice.org のバージョンの違いによってはフォルダ構成が異なるかもしれません。古いバージョンでは TEMP_INST の RPMS フォルダに解凍されました (例えば download/ooo/TEMP_INST/RPMS/
です)。
最近のバージョンでは、 ビルド番号を付けたルートフォルダに解凍されます。この例では、 OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286
です。
cd
で (全ての rpm ファイルがある) RPMS フォルダに移動する必要があります。
# RPMS フォルダに含まれた全ての RPM ファイルを抽出するために新たに、 # 一時作業用フォルダを作成しなければいけません。 # いくつかの古いバージョンは TEMP_INST 以下に RPMS フォルダのみ作成します。 # この例ではルートディレクトリをビルド名からはじめます。 ~/download/ooo/TEMP_INST> cd OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286/RPMS/ # これ以降の説明では # ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12_native_packed-2_en-US.9276/RPMS> を # ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12 .../RPMS> と省略表記します。 # OpenOffice.org のインストール先となる作業用のルートフォルダを作成してください。 ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../RPMS> mkdir TEMP_ROOT ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../RPMS> cd TEMP_ROOT/ # RPM ファイルを抽出する ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../RPMS/TEMP_ROOT> for i in ../openoffice.org*.rpm; do rpm2cpio $i | cpio -id; done
この手順で OpenOffice.org のファイルが
/home/ユーザー名/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286/RPMS/TEMP_ROOT
をルートに展開されるでしょう。
結果は次のとおりです。
~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286/RPMS/TEMP_ROOT/opt/openoffice.org2.4/
任意の場所にルートフォルダをコピーまたは移動しなければなりません。
~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../RPMS/TEMP_ROOT>cd opt # "opt" の前にスラッシュを付けないでください。つまり /opt としないでください。 # スラッシュを付けてしまうとインストールされている /opt/openoffice.org2.4 を指定することになります。 # この例では /home/ユーザー名/openoffice.org2.4 に "インストール" を行います。 ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../RPMS/TEMP_ROOT/opt> mv openoffice.org2.4 ~
最後に一時作業用のファイルを全て削除します。
~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../RPMS/TEMP_ROOT/opt> cd ~/download/ooo/ ~download/ooo> rm -rf TEMP_INST/
DEB パッケージ
ここでは次のファイルの "インストール" を例に説明します。
OOo_2.4.0_LinuxIntel_install_en-US_deb.tar.gz
次のディレクトリにダウンロードを行いました。
/home/ユーザー名/download/ooo/
# cd コマンドで *.tar.gz ファイルを保存した場所に移動します。 # この例では次のファイルと場所を使用します。 # ファイルは OOo_2.4.0_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz # 場所は /home/ユーザー名/download/ooo/ です。 ~> cd download/ooo/ # ファイルを抽出するための一時作業用フォルダを作成します。 # ここではフォルダ名を TEMP_INST とします。 ~/download/ooo> mkdir TEMP_INST # 作業用フォルダに移動します。 ~/download/ooo> cd TEMP_INST/ # ファイルを抽出します。 ~/download/ooo/TEMP_INST> tar -zxvf ../OOo_2.4.0_LinuxIntel_install_en-US_deb.tar.gz
これで一時作業用フォルダに tar ボールを解凍しました。 注意としては OpenOffice.org のバージョンの違いによってはフォルダ構成が異なるかもしれません。古いバージョンでは TEMP_INST の DEBS フォルダに解凍されました (例えば download/ooo/TEMP_INST/DEBS/
です)。
最近のバージョンでは、 ビルド番号を付けたルートフォルダに解凍されます。この例では、 OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286
です。
cd
で (全ての deb ファイルがある) DEBS フォルダに移動する必要があります。
# DEBS フォルダに含まれた全ての DEB ファイルを抽出するために新たに、 # 一時作業用フォルダを作成しなければいけません。 ~/download/ooo/TEMP_INST> cd OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286/DEBS/ # これ以降の説明では # ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12_native_packed-2_en-US.9276/DEBS> を # ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12 .../DEBS> と省略表記します。 # OpenOffice.org のインストール先となる作業用のルートフォルダを作成してください。 ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../DEBS> mkdir TEMP_ROOT ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../DEBS> cd TEMP_ROOT/ # DEB ファイルを抽出する ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../DEBS/TEMP_ROOT> for i in ../openoffice.org*.deb; do dpkg-deb -x $i . ; done
この手順で OpenOffice.org のファイルが
/home/ユーザー名/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286/DEBS/TEMP_ROOT
をルートとして展開されるでしょう。
結果は次の通りです。
~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12_native_packed-1_en-US.9286/DEBS/TEMP_ROOT/opt/openoffice.org2.4/
任意の場所にルートフォルダをコピーまたは移動しなければなりません。
~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../DEBS/TEMP_ROOT>cd opt # "opt" の前にスラッシュを付けないでください。つまり /opt としないでください。 # スラッシュを付けてしまうとインストールされている /opt/openoffice.org2.4 を指定することになります。 # この例では /home/ユーザー名/openoffice.org2.4 に "インストール" を行います。 ~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../DEBS/TEMP_ROOT/opt> mv openoffice.org2.4 ~
最後に一時作業用のファイルを全て削除します。
~/download/ooo/TEMP_INST/OOH680_m12.../DEBS/TEMP_ROOT/opt> cd ~/download/ooo/ ~download/ooo> rm -rf TEMP_INST/
バージョン 2.* のユーザーディレクトリ / フォルダの設定
この新しいバージョンを実行する前にいくつかの設定変更を行わなければなりません。この手順は RPM と DEB パッケージのどちらも同じです。
デフォルトで、OpneOffice.org はバージョンに対応するユーザーディレクトリ / フォルダを読み書きします (例えば、安定版の OpenOffice.org 2.N は /home/ユーザー名/.openoffice.org2/ を、開発版は /home/ユーザー名/.ooo-dev2/ を使用します)。 このため Openoffice.orgN が2つまたは ooo-devN が2つインストールされている場合など、内部に矛盾が起こるので同じフォルダを使う2つのバージョンを並列には実行できません。
この問題を回避するため OpenOffice.org の設定を変更して他のフォルダをユーザーフォルダとして使用するようにしなければなりません。インストール用ルートフォルダを指定するとよいでしょう。こうすればファイルをまとめておけるので、後のアンインストールが簡単になります。
この作業を行うため $OO_INST_ROOT_DIR/program/bootstraprc
を変更しなければなりません。
このファイルは読み取り専用になっているので、まずそれを変更しなければなりません。
~> cd openoffice.org2.4/program/ ~/openoffice.org2.4/program> chmod +w bootstraprc
テキストエディタでこのファイルを開き、 UserInstallation=
から始まる行を、次のように書き換えます。
UserInstallation=$ORIGIN/..
変更後のファイル全体は次のようになっているでしょう。
[Bootstrap] BaseInstallation=$ORIGIN/.. InstallMode=<installmode> ProductKey=OpenOffice.org 2.4 UserInstallation=$ORIGIN/.. [ErrorReport] ErrorReportPort=80 ErrorReportServer=report.services.openoffice.org
このようにするとユーザーディレクトリ / フォルダは (そのインストールした) OpenOffice.org のルートフォルダに置かれるため、並列に複数のバージョンを実行できるようになります。
バージョン 3.* のインストール (3層型 OpenOffice.org)
DEV300m4 とこれ以降の OpenOffice.org は 3層型になっています( Three-Layer OOo を参照してください)。 3層型では RPM/DEB パッケージを抽出するとき、下のように2つのフォルダが作成されます。
-
opt/openoffice.org
(最下層 ure と 中間層 basis を含んでいます) -
opt/ooo-dev3.0
(最上層を含んでいます)
ここで最上層のフォルダ名 ooo-dev3.0
は製品名に応じて読み替えてください。 (たとえばopenoffice.org3.0
です)
ここでは完全に独立したインストール (システム/デスクトップ統合を含まず、ユーザー設定ファイルを含む) を行うのですが、それはパッケージを抽出し、3つ層をまとめておくために opt
フォルダを改名するだけです。
RPM パッケージ
ここでは次のファイルの "インストール" を例に説明します。
OOo-Dev_DEV300_m7_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz
次のディレクトリにダウンロードを行いました。
/home/ユーザー名/download/ooo/
# cd コマンドで *.tar.gz ファイルを保存した場所に移動します。 # この例では次のファイルと場所を使用します。 # ファイルは OOo-Dev_DEV300_m7_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz # 場所は /home/ユーザー名/download/ooo/ です。 ~> cd download/ooo/ # ファイルを抽出するための一時作業用フォルダを作成します。 # ここではフォルダ名を TEMP_INST とします。 ~/download/ooo> mkdir TEMP_INST # 作業用フォルダに移動します。 ~/download/ooo> cd TEMP_INST/ # ファイルを抽出します。 ~/download/ooo/TEMP_INST> tar -zxvf ../OOo-Dev_DEV300_m7_LinuxIntel_install_en-US.tar.gz
これで一時作業用フォルダに tar ボールを解凍しました。
cd
で (全ての rpm ファイルがある) RPMS フォルダに移動する必要があります。
# RPMS フォルダに含まれた全ての RPM ファイルを抽出するために新たに、 # 一時作業用フォルダを作成しなければいけません。 ~/download/ooo/TEMP_INST> cd DEV300_m7_native_packed-1_en-US.9293/RPMS/ # これ以降の説明では # ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7_native_packed-1_en-US.9293/RPMS> を # ~/download/ooo/TEMP_INST/ DEV300_m7.../RPMS> と省略表記します。 # OpenOffice.org のインストール先となる作業用のルートフォルダを作成してください。 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS> mkdir TEMP_ROOT ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS> cd TEMP_ROOT/
フォルダの命名法が2種類あり、バージョンによって違うことに注意してください。
-
openoffice.org-*.rpm
最下層と中間層 -
ooo-dev-*.rpm
最上層
したがって、1ステップまたは2ステップで RPM を抽出することができます。
# 1ステップで RPM ファイルを抽出します ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS/TEMP_ROOT> for i in ../o*.rpm; do rpm2cpio $i | cpio -id; done
Java Runtime Environment (この例では、 jre-6u4-linux-i586.rpm
です) を含んでいるかもしれないので、 for i in ../*.rpm
としないように注意してください。
../o*.rpm
とすることで、 "o" から始まるパッケージのみ展開することができます。
# RPM ファイルを2ステップで抽出します # まず最下層と中間層の抽出 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS/TEMP_ROOT> for i in ../openoffice.org*.rpm; do rpm2cpio $i | cpio -id; done # 最上層の抽出 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS/TEMP_ROOT> for i in ../ooo-dev*.rpm; do rpm2cpio $i | cpio -id; done
この手順で
/home/user/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7_native_packed-1_en-US.9293/RPMS/TEMP_ROOT
に opt
フォルダが作られ、その中に次の2つのフォルダが展開されます。
/TEMP_ROOT/opt/ooo-dev3.0
/TEMP_ROOT/opt/openoffice.org
後者のフォルダはさらに basis3.0
と ure
サブフォルダを含んでいます。
opt フォルダを任意の場所にコピーまたは移動します。
# この例では home/ユーザー名/OOo_DEV300_m7 に新しいバージョンを "インストール" します。 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS/TEMP_ROOT> mv opt ~/OOo_DEV300_m7
最後に一時作業用のファイルを全て削除します。
~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../RPMS/TEMP_ROOT> cd ~/download/ooo/ ~download/ooo> rm -rf TEMP_INST/
DEB パッケージ
ここでは次のファイルの "インストール" を例に説明します。
OOo-Dev_DEV300_m7_LinuxIntel_install_en-US_deb.tar.gz
次のディレクトリにダウンロードを行いました。
/home/user/download/ooo/
# cd コマンドで *.tar.gz ファイルを保存した場所に移動します。 # この例では次のファイルと場所を使用します。 # ファイルは OOo-Dev_DEV300_m7_LinuxIntel_install_en-US_deb.tar.gz # 場所は /home/ユーザー名/download/ooo/ です。 ~> cd download/ooo/ # ファイルを抽出するための一時作業用フォルダを作成します。 # ここではフォルダ名を TEMP_INST とします。 ~/download/ooo> mkdir TEMP_INST # 作業用フォルダに移動します。 ~/download/ooo> cd TEMP_INST/ # ファイルを抽出します。 ~/download/ooo/TEMP_INST> tar -zxvf ../OOo-Dev_DEV300_m7_LinuxIntel_install_en-US_deb.tar.gz
これで一時作業用フォルダに tar ボールを解凍しました。
cd
で (全ての deb ファイルがある) DEBS フォルダに移動する必要があります。
# DEBS フォルダに含まれた全ての DEB ファイルを抽出するために新たに、 # 一時作業用フォルダを作成しなければいけません。 ~/download/ooo/TEMP_INST> cd DEV300_m7_native_packed-1_en-US.9293/DEBS/ # これ以降の説明では # ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7_native_packed-1_en-US.9293/DEBS> を # ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS> と省略表記します。 # OpenOffice.org のインストール先となる作業用のルートフォルダを作成してください。 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS> mkdir TEMP_ROOT ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7 .../DEBS> cd TEMP_ROOT/
フォルダの命名法が2種類あり、バージョンによって違うことに注意してください。
-
openoffice.org-*.deb
最下層と中間層 -
ooo-dev-*.deb
最上層
したがって、1ステップまたは2ステップで DEB を抽出することができます。
# 1ステップで DEB ファイルを抽出します ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS/TEMP_ROOT> for i in ../*.deb; do dpkg-deb -x $i . ; done
# DEB ファイルを2ステップで抽出します # まず最下層と中間層の抽出 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS/TEMP_ROOT> for i in ../openoffice.org*.deb; do dpkg-deb -x $i . ; done # 最上層の抽出 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS/TEMP_ROOT> for i in ../ooo-dev*.deb; do dpkg-deb -x $i . ; done
この手順で
/home/user/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7_native_packed-1_en-US.9293/DEBS/TEMP_ROOT
に opt
フォルダが作られ、その中に次の2つのフォルダが展開されます。
/TEMP_ROOT/opt/ooo-dev3.0
/TEMP_ROOT/opt/openoffice.org
後者のフォルダはさらに basis3.0
と ure
サブフォルダを含んでいます。
opt フォルダを任意の場所にコピーまたは移動します。
# この例では home/ユーザー名/OOo_DEV300_m7 に新しいバージョンを "インストール" します。 ~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS/TEMP_ROOT> mv opt ~/OOo_DEV300_m7
最後に一時作業用のファイルを全て削除します。
~/download/ooo/TEMP_INST/DEV300_m7.../DEBS/TEMP_ROOT> cd ~/download/ooo/ ~download/ooo> rm -rf TEMP_INST/
バージョン 3.* のユーザーディレクトリ / フォルダの設定
この新しいバージョンを実行する前にいくつかの設定変更を行わなければなりません。この手順は RPM と DEB パッケージのどちらも同じです。
デフォルトで、OpneOffice.org はバージョンに対応するユーザーディレクトリ / フォルダを読み書きします (例えば、安定版の OpenOffice.org 2.N は /home/ユーザー名/.openoffice.org2/ を、開発版は /home/ユーザー名/.ooo-dev2/ を使用します)。 このため Openoffice.orgN が2つまたは ooo-devN が2つインストールされている場合など、内部に矛盾が起こるので同じフォルダを使う2つのバージョンを並列には実行できません。
この問題を回避するため OpenOffice.org の設定を変更して他のフォルダをユーザーフォルダとして使用するようにしなければなりません。インストール用ルートフォルダを指定するとよいでしょう。こうすればファイルをまとめておけるので、後のアンインストールが簡単になります。
この作業を行うため最上層の program
フォルダにある bootstraprc
ファイルを編集しなければないません。
この例では /home/user/OOo_DEV300_m7/ooo-dev3.0/program
です。
このファイルは読み取り専用になっているので、まずそれを変更しなければなりません。
> cd ~/OOo_DEV300_m7/ooo-dev3.0/program ~/OOo_DEV300_m7/ooo-dev3.0/program> chmod +w bootstraprc
テキストエディタでこのファイルを開き、 UserInstallation=
から始まる行を、次のように書き換えます。
UserInstallation=$ORIGIN/..
変更後のファイル全体は次のようになっているでしょう。
[Bootstrap] BaseInstallation=${OOO_BASE_DIR} InstallMode=<installmode> ProductKey=OOo-dev 3.0 UserInstallation=$ORIGIN/.. [ErrorReport] ErrorReportPort=80 ErrorReportServer=report.services.openoffice.org
このようにするとユーザーディレクトリ / フォルダは (そのインストールした) OpenOffice.org のルートフォルダに置かれるため、並列に複数のバージョンを実行できるようになります。
Windows の場合
Windowsでは、管理者用インストールなどを呼ばれる方法でインストールしなければなりません。この方法は全てのmsiベースのインストーラーに対して適用できるもので、基本的には単に .cab ファイルを展開するだけのことです。
インストールすべきコンポーネントが一つの実行形式ファイル (例えば OOo_2.4.237_Win32Intel_install.exe
のように1個で 100 MB 以上にもなる .exe ファイル) にまとめられている場合、その内容を抽出します。抽出は簡単で、その実行ファイルを起動するだけです。途中、ファイルを展開する場所をたずねられます。抽出の後に自動的にインストーラが起動しますが、キャンセルして終了してください。
これ以降では c:\temp\install
に抽出したと想定しています。
次に、コンソールを起動してください。(<Windows キー>+R を押した後、 "cmd<enter>"と入力しても起動できます。) そして、以下を行ってください。
...> c: c:\> cd \temp\install c:\temp\install> msiexec /a ooodev24.msi
(上のものは、指定したフォルダに ooodev24.msi があると仮定しています。名前はインストールしたいバージョンによって異なりますが、必ず .msi ファイルが1個です。その名前を使用してください。)
msiexec
は .msi ファイルを処理するプログラムです。 /a スイッチは管理者用インストールを意味します。インストーラが起動してインストール先をたずねられるので、あなたが最終的にインストールしたい場所を選択します。それから、「インストール」ボタンを押して数分でインストールが終了するでしょう。
上級者向けの情報:
msiexec /a ooodev24.msi TARGETDIR="c:\Program Files\OOoDev\m237" /qr
これを実行すると直ちに "c:\Program Files\OOoDev\m237" にインストールが行われます。
DEV300m23
から初めて OpenOffice.org の実行に必要な Microsoft Visual C++ ランタイムが OOo のインストーラに含まれていませんが、通常のインストールの間にシステムにインストールされます。(これを見てくださいthis interface-announce@openoffice.org mail)
これは、管理インストールのときはインストールされないので、Microsoft Visual C++ 2008 Redistributable Package (x86) (または、同じ製品の異なるバージョン) を別途インストールを行わなければなりません。
ユーザー設定
Linux の場合と同じように他の OOo のバージョンのユーザー設定データと競合しないようにしておく必要があります。まず任意のテキストエディタで インストールフォルダ\program\bootstrap.ini
を開き、次の行を見つけてください。
UserInstallation=$SYSUSERCONFIG/OOo-dev2
(この行末はバージョンに依存しますが、 UserInstallation
で始まる行はこれしかありません。)
これを書き換えます。
UserInstallation=$ORIGIN/..
これでユーザー設定のデータは program
フォルダと同じ階層の user
フォルダに保存されるでしょう。これには、2つの利点があります。まず、異なるバージョンのユーザー設定データと競合しません。次に、インストールフォルダが設定データを含んでいるためこのフォルダを削除するだけで完全にアンインストールができます。しかし、通常のインストールと異なり同じ Windows マシンを使用しているユーザー全員で設定ファイルを共有することになるので注意してください。
自動テストに変更を反映する
あなたが、このインストールに VCLTestTool で自動化されたテストを行う場合、どのような設定を行わなければならないのか知るために wiki ページを見てください。
VCLTestTool がこのインストールを認識できるようにするため、 'OOoProgramDir' オプションの修正が必要です。ここにはインストールした最上位層 (製品名) の program フォルダを指定してください。
翻訳者
Matayoshi
査読者
Okayama-san
Kubota-san
Nakata-san
Nakamoto-san
Hirano-san
(Japanese Native Language Projectカテゴリは現在、仮でつけています。)
--09:55, 7 May 2009 (UTC)